【タイプ3】 色が黄または赤っぽい・粘りがある・臭いが強い 「湿熱(しつねつ)」タイプ

<気になる症状>
おりものが黄または赤っぽい・粘りがある・臭いが強い、下腹部の痛み、陰部の痛み・かゆみ、熱っぽい、口が乾く、口臭がある、尿の色が濃い、便秘気味

<改善ポイント>湿邪が長く停滞し、熱っぽい

 他の2つのタイプでは、不快なおりものの原因「湿邪」が発生する仕組みついてご紹介しました。これらの症状は初期のうちに改善することが大切ですが、長期化して湿邪が体内に長く停滞すると熱が発生し「湿熱」へと進行してしまったのがこのタイプです。また、湿熱は生理期間中や妊娠期間中に発生することもあります。

 湿熱タイプのおりものは、黄色または赤みを帯びていて、粘りがあり、臭いも強くなります。また、下腹部や陰部の痛み、微熱、口の乾き、口臭、尿の色が濃い、便秘気味といった症状を伴うことも特徴。体内の湿熱を取り除きながら、通便を良くするなど解毒を考えることも大切です。

<摂り入れたい食材>
体内の湿熱邪(炎症)を取り除く食材、利尿、通便作用のある食材を選びましょう。
苦瓜、緑豆、せり、干し柿、バナナ、いちじく、スベリヒユなど

通便作用のある食材、バナナ 写真 PhotoAC

【ポイント】 しっかり体力をつけ、清潔を心がけましょう

 不快なおりものの症状を解消するためには、身体の中から改善していくことが大切です。免疫力の低下も根本的な原因となるので、まずは「十分に睡眠をとる」「バランスの良い食事を心がける」など、しっかり体力を養うことを基本に考えましょう。また、湿邪は「陰」にあたるため、身体を冷やさないようあたかかくする工夫も忘れずに。

 おりものが気になるときは、通気性の良い綿素材の下着を選び、なるべく蒸れを防ぐようにしてください。常に清潔な状態を心がけること、入浴の際は刺激の少ない石けんを選ぶことなどもポイントです。

 また、菖蒲湯もおすすめです。漢方では、菖蒲は胃を健やかにし、邪気を発散する薬草として使われています。香り高くアロマテラピー効果も期待できるので、季節のお風呂をゆっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。

胃を健やかにし、邪気を発散する薬草、菖蒲 写真 PhotoAC

監修:菅沼栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社監修の中医学情報サイト「COCOKARA中医学」より、一部改変して転載しました

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