(写真はイメージ/GettyImages)

 全身の力を抜いてもたれかかることができるソファは、体にとってもラクだと思いがち。でも、実は負担が大きい家具だという。多くの現役アスリートも通うトレーニングジム「IPF」代表のカリスマ最強トレーナー・清水忍さんは、「背もたれに寄りかかりだらんと座るのは、体幹の筋肉が使われず、首、背中、腰に集中的に負担がかかります」と話す。清水さん監修の『運動習慣ゼロの人のための疲れない動けるからだをつくるテク』(朝日新聞出版)から、ソファが体に与える負担が大きい理由と、負担の少ないOKなソファの座り方を、体の仕組みの解説とともに紹介する。

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NGな座り方は「背もたれによりかかってだらん」

(イラスト/ひらのんさ なかざわとも)

 上半身の力を抜き腰を丸めて座っている状態では、カラダをまっすぐに保つための体幹の筋肉が使われません。その分、重い頭部の重量が直接、首、背中、腰などに集中的にかかります。これによって筋肉が緊張し、肩こりや腰痛の原因になってしまうのです。

OKな座り方は「腰から背中、首のラインをまっすぐに」

(イラスト/ひらのんさ なかざわとも)

 ソファでは腰や首を支えることが重要です。ソファに座るのであればヘッドレストのあるものにして、腰と背もたれの間にクッションを挟みましょう。つまり、カラダの力を抜いた状態でも、腰から背中、首のラインをまっすぐに保つことがポイントです。

 これによって、頭部の重みが重心にきちんとのります。重みが分散されるので、姿勢を保つための筋肉を休めた状態でも、首、肩、背中などに無理な力がかかることを避けられます。

NGな寝転び方は「ひじ掛けを枕にする」

(イラスト/ひらのんさ なかざわとも)

 ソファに寝転ぶときはひじかけを枕がわりにしがちですが、ひじかけが高すぎる場合、首に負担がかかるので要注意です。首の曲がったところに不自然な重圧がかかり、筋肉が緊張します。

 そのまま寝てしまうと首を傷める危険もあるので、基本的にはおすすめできません。どうしてもひじかけに頭をのせたいなら、背中の下にクッションを入れるなど、首が曲がらない高さに調節しましょう。

OKな寝転び方は「ひじかけに足をのせる」

(イラスト/ひらのんさ なかざわとも)

 ソファのひじかけに足をのせて寝転ぶのは、血流の状態をよくし、むくみ解消という利点もあります。ひじかけに足をのせることで足の位置を頭より高くすると、血液を心臓のほうに戻す力が働きます。

 これによって血流がよくなり、カラダの末端にたまった水分が回収されるので、むくみなどの解消につながるのです。ソファに寝転ぶこと自体は、座面にかたさがあってカラダがしっかり支えられる材質であればOK。ただしそのまま寝てしまうのはNGなので、長時間続けないようにしましょう。

(構成 生活・文化編集部 森 香織)