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広角レンズを高性能に楽しむコンバーター2本
フルサイズ対応のソニーEマウント広角レンズとして、小ぶりで使いやすい28mmF2レンズが登場。加えて、別売になるが専用設計のフィッシュアイコンバーターとウルトラワイドコンバーターが用意され、1本で3通りの焦点距離を楽しめるようになっている。
フィッシュアイコンバーター使用時には16mmF3.5の対角線魚眼レンズになり、ウルトラワイドコンバーターを付ければ21mmF2.8の超広角レンズとなる。
前玉側にフードと同様にバヨネット式で取り付ける。それにもかかわらず、それぞれ異なる開放F値なのはなぜなのかと思い観察してみると、装着時にマスターレンズとなる28mmレンズが自動的に少し絞られる仕掛けになっていた。コンバーターの種別も含め自動で検知される仕組みで、撮影した画像につくExif情報にも反映される。レンズ、コンバーターともに防塵・防滴に配慮した設計ということで、ディテールの仕上げとともにデザインも統一されており、なかなか高級感がある。
28mmレンズを単体で使えば、前後のボケの滑らかさが印象的。とろけるようなとまでは言わないが、芯のない軟らかなボケだ。開放から絞っていくとボケのサイズは小さくなるが、この芯のないボケの傾向はそのまま残る。パンフォーカスになるように絞って撮っても平板にならず立体感ある描写なのもこのレンズの持ち味だろう。広角レンズだからと絞り込み深い被写界深度に頼り、ピント合わせに気を使わないのでは、もったいないレンズだということでもある。
フィッシュアイコンバーターを付ければ対角画角は180度。さすがに画面の四隅まで中央と同じレベルでクッキリスッキリとはいかないが、逆光条件でも十分にクリアな魚眼撮影が楽しめる。
ウルトラワイドコンバーターの使用では21mmレンズになる。当初、これなら21mmの同スペックのレンズを別に用意したほうがいいのでは?と疑問だった。しかし、ミラーレス機だからということもあるのだが、コンバーター付け外しの気安さはレンズ交換のそれとは比較にならない。28mmを常用し、画角に収まりきらないときにカメラバッグに忍ばせておいた21mmになるコンバージョンレンズを取り付けるという撮影スタイルは、案外アリな選択かもしれない。
◆ まつうらやすし