西島秀俊の演技を「ニュートラルだけど突然トップギアに入る」と絶賛した三浦友和

自然体ではなく自然体を「演じる」のがうまい

 芸能界の先輩である大物俳優も西島についてこう評価している。

「映画『グッバイ・クルエル・ワールド』で共演した三浦友和さんが舞台あいさつで西島さんについて、“ニュートラルな俳優さんの代表選手”と褒めていました。どんな役でも引き受ける西島さんは、『ニュートラルなんだけど突然トップギアに入ったり、出方によってはバックに入れたり、そういうことを自由にできる』と絶賛。また、現場での落ち着きぶりについても、西島は他の演者のように緊張してトゲトゲするところが全くない、と感心していました。そうしたところを見ると、自然と役に溶け込んでいくことができ、だからこそ同性愛者の心の機微も上手に表現できるのでは。自然体ではなく、自然体を演じるのがうまいということなのかもしれません」(映画ライター)

 芸能評論家の三杉武氏は西島についてこう評する。

「西島さんは一昨年、主演した『ドライブ・マイ・カー』で米アカデミー賞・国際長編映画賞を受賞し、世界にも広く知られました。もともと、彼は映画に出演したくて国立大学を中退し、俳優業に専念したほど。90年代はイケメンドラマ俳優として鳴らしましたが、ジレンマを感じて所属事務所から移籍。その後は露出を減らした時期もありましたが、周囲のラブコールもあって徐々に活躍の場を広げていき、中山美穂さんと共演した映画『サヨナライツカ』や、さまざまな映画賞を受賞した『CUT』、綾瀬はるかさん演じる主人公の兄役を好演した大河ドラマ『八重の桜』などで注目を集めます。30代後半でブレークを果たした後は現在に至るまでさまざまな作品に出演しています。繊細かつ誠実な演技は業界内でも評価が高く、前述のように作品のジャンルを超えた活躍をみせています。11月公開の『首』では、久々に北野武監督作品で主演を務めますが、こちらも必見でしょう」

 西島だからこそ表現できる“繊細さ”は役者として大きな武器になっている。

(丸山ひろし)

暮らしとモノ班 for promotion
「最後の国鉄特急形」 381系や185系も!2024年引退・近々引退しそうな鉄道をプラレールで!