撮影/写真映像部・佐藤創紀
撮影/写真映像部・佐藤創紀

 林さんのカフェの使い方は?

「例えば、『1時間で終わらせる』と決めて、カフェで仕事をすることがあります」

 特に、企画を作るときはカフェに行くという。林さんは言う。

「ほどよい雑音があるから没入できるんです。ふいに聞こえた隣に座る人のキーワードが、予想の斜め上だったりすると、刺激を受けて、アイデアが生まれる瞬間があります」

 ただ、カフェを使わないと決めていることもある。オンライン会議だ。店内の雑音による会話ストレスや情報漏洩(ろうえい)が心配だからだ。外出先で急にオンライン会議が入ったときも、カフェ以外を探すという。

「コワーキングスペース、ワークボックス、レンタルスペースなどに入ります。近くになければ、屋外で青空会議をしますよ」

 個室の相場は、1時間千円くらい。安ければ1時間500円ほどの場所もあるそうだ。

 会社HPによると、喫茶室ルノアールは、電源のある席が多いが、料金を払えば、仕事もできるブースや、会議室を使うことができる。

 この原稿もカフェで書いた。他人のいるほどよい緊張感、いつもと違う机に座る非日常感、おいしいコーヒー。職場の蛍光灯の下とは違うひと時だった。(編集部・井上有紀子)

AERA 2023年10月16日号