口の中や鼻の中、のどや唾液腺などに発生するがんを「頭頸部がん」と呼びます。頭頸部がんの中には若い年齢で発症するウイルス性のものもあり、世界中で関心が集まっています。週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』は毎年、全国の病院の1年間の手術数を調査しており、創刊21年目を迎えた2023年版では、2021年1年間に実施された手術数のランキングを掲載しています。ここでは、「頭頸部がん」の手術数の全国ランキングをお届けします。
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週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』は手術数を指標とした病院選びガイドとして2003年に創刊し、今年は21年目となります。各種のがん、心臓病、脳疾患、首・腰など、治療法別に30種類の設問が異なる調査用紙を作成し、全国4000を超える病院に対し約2万6千枚を配布。2022年9月から23年1月までの調査期間に回答のあった病院を、全国、地方別にランキング化しています。のべ4845病院を掲載しています。
今回紹介するのは「頭頸部がん手術」。
日本頭頸部癌学会が実施している「頭頸部悪性腫瘍全国登録事業」のデータから算出した頭頸部がんの種類別の割合では、最も多いのが口の中にできる「口腔がん」(30~35%)です。次が気管の声帯周辺にできる「喉頭(こうとう)がん」(約20%)とのどの奥で食道の入り口より上にできる「下咽頭(かいんとう)がん」(約20%)、いわゆる「のどちんこ」の周辺やうわあごの軟らかい部分、扁桃腺(へんとうせん)や舌の付け根にできる「中咽頭がん」(約15%)、鼻の奥あたりにできる「上咽頭がん」(約3%)と続きます。残りは「鼻腔がん」や「副鼻腔がん」「唾液腺がん」などで、これらはきわめてまれです。
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【取材した医師】
都立駒込病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長 杉本太郎 医師
恵佑会札幌病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長 渡邉昭仁 医師