ところで「投信は嫌い。個別株やETFだけに投資したい」という人は、成長投資枠の年間240万円だけを使う形でもいい。
ここまでの話はあくまで投資できる「上限」だ。毎月の収入から30万円も投資に回せる人はそんなにいないだろう。
最短5年で1800万円すべてを埋められる人は、資産にかなり余裕がある人では?投資というより「預金から新NISAにお金を移す作業」になる人もいそうだ。
新NISAは制度が恒久化されたので、いつはじめてもいいし、いつやめてもいい。無理は禁物だ。
その年に120万円なり240万円なりの枠を使い切れなくても、これまでのNISAのように「もう今年の枠は使えません」とはならない。ゆっくり埋めていこう。
新NISAの換金
ところで、いざというときの現金は大切だ。病気や解雇、家族のために緊急の出費が必要になったときのために、最低限の現金は銀行に残しておこう。
せめて1〜2年は無収入でも生活できるだけの現金は確保しておきたい。
新NISAのお金はいつでも引き出せる。ただ、欲しいときにすぐ銀行ATMから引き出せるわけではない。
売却の注文を出してから、現金として引き出せるようになるまで、1週間ほど見ておこう。
また「投資しすぎ」もやめよう。臨時収入が入ったなら「今しかできないこと」も少しはしてほしい。
家族や友人とのレジャーに使うもよし、読書や資格の勉強などの自己投資に使うもよし。「新NISAの入金力」を上げるために節約しすぎるのはどうかと思う。
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編集/綾小路麗香、伊藤忍
※『AERA Money 2023秋冬号』から抜粋