たとえば月々のつみたて額は5万円、6月と12月だけは増額することにして35万円ずつつみたてると、「(5万円×10カ月)+(35万円×2カ月)」で上限の120万円を1年間でつみたてられる。

 年間で120万円をどう埋めるかは自分次第。つまり、つみたて額は自由に設定できるというわけ。

「(つみたて投資枠なら)120万円すべてを1年で使い切らなくてもいい。暮らしに合わせて無理のない範囲でつみたてる」(金融庁)

 これまでのつみたてNISAでは、年間上限を使い切れなかった分は翌年以降に繰り越すことができなかった。

 今後は「締め切り」がないので、翌年以降に投資することもできるからだ。

「最短5年」に焦らない

 成長投資枠は使わず、つみたて投資枠だけを利用すると、年間120万円の投資で非課税保有限度枠1800万円を使い切るのにかかる年数は最短で15年。

 20代、30代といった若い世代が、毎月の収入から10万円を投資するのは難しいだろう。

 ボーナスがあるなら年に何回か増額しつつ、という感じになるはずだ。

 ネット上には「最短5年!」などと鼻息の荒い猛者がいるが、焦らなくていい。

 つみたて投資枠だけの場合も「最短15年」などと目標を定める必要はない(もちろん、決めてもいいが)。

 生活が苦しくならない金額を毎月コツコツ、これが新NISAの最もオーソドックスな投資プランだ。

 これは本誌の意見だが、年に2回は35万円などと増額設定をするより、毎月同じ金額を機械的につみたてるほうが、精神的にも金銭的にも続けやすいだろう。

成長投資枠でつみたててもいい

 次に、一生で1200万円までの成長投資枠は「年間240万円まで」となっている。

「成長投資枠では、一括投資をしなければならないという決まりはない。

 成長投資枠でつみたて投資をしてもかまわない。

 つまり、つみたて投資枠と成長投資枠の両方でつみたて投資をしてもいい」(金融庁)

 仮に両方の年間投資枠をすべて使うなら、「つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円」で年間360万円まで投資できる。

 これを1カ月当たりに直すと、つみたて投資枠を月10万円、成長投資枠を月20万円。合計で月30万円だ。

 これだと、新NISAの非課税保有限度額1800万円を最短(5年)で使い切る。

 成長投資枠の年間240万円は一括投資も可能なので、たとえば相場が下がってインデックス型投資信託(以下、投信)の基準価額が安くなったときにまとめて買う、などの使い方もできる。

 まあ、今が安いかどうかは振り返ってみないとわからないので、成長投資枠も機械的なつみたて(もしくは年初に一括投資)がいい気もするが……。

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