たまたま所属できた
博多華丸(以下、華丸):情熱的に(お笑いを)やってやるぞ!というものではなく、たまたま福岡でオーディションがあって、たまたま応募者もライバルも少なくて、たいして面白くもないのにたまたま所属できた。
――入所当時から、仕事が途切れるようなことはなかったのだという。
大吉:バブルの名残もまだあった時期でしたし、福岡では立ち上がったばかりなのに「吉本」という大きな看板はある。そして人数が少ない。1年目でレギュラー番組が2本あったり。東京や大阪ではこんなことあり得なかったと思いますが、仕事はたくさんあったんです。
華丸:実力不足の我々も、それこそ地方競馬で出走だけはずっとさせてもらえてるみたいなね。
――当初「盗作で漫才してたんです」と華丸は言う。
どういうことかというと、師匠クラスの漫才師がやっている漫才ネタを、博多弁に置き換えていたのだという。
華丸:年配のお客さんが結構笑ってくれて。そりゃそうですよね、もとは師匠たちのネタなんですから(笑)。師匠たちも福岡まではなかなか営業に来ないですし、ネットも普及していませんし、情報もあまり入ってこない。意外とバレないもんでしたね(笑)。
(取材・構成/ライター・太田サトル)
※AERA 2023年10月16日号より抜粋