確かに、球界全体がFA補強に消極的な傾向になっている。巨人はFAで12球団断トツトップの28選手を獲得しているが、21、22年オフはFA市場に参戦していない。2年連続Bクラスに低迷したチーム状況を考えると、強化が急務のポイントは投手陣だ。特に救援陣の防御率3.81はリーグワーストで、「勝利の方程式」を構築できなかった。一方で、山川が守る一塁は岡本和真中田翔、秋広優人と選手がそろっている。中田が今オフに他球団移籍を視野にFA移籍する可能性が一部メディアで報じられているが、もし中田が抜けても巨人が山川の補強に動くとは考えづらい。

 昨オフに近藤健介、嶺井博希をFAで獲得するなど大型補強を敢行したソフトバンクはどうだろうか。3年ぶりのV奪回を狙った今季は7月に54年ぶりの12連敗を喫して優勝戦線から脱落。打線強化でシーズン途中に復帰したデスパイネも20試合出場で打率.071、0本塁打と精彩を欠いた。右の長距離砲として山川は補強ポイントに合致する。実際に昨オフ、山川が西武から提示された4年契約を固辞して単年契約を結んだ際は、「FA移籍の大本命はソフトバンク」と目されていた。

 ソフトバンクを取材するスポーツ紙記者は「昨オフの段階だったら獲得の可能性があったと思いますが、現時点ではイメージしにくい。西武から無期限の出場停止処分を受けている選手をFAで獲得することはファンの理解が得られないのでは。ソフトバンクはグラウンド外の不祥事に厳しいスタンスを取っている。山川にセカンドチャンスを与えるべきだとは思いますが、FAで手を差し伸べるというと違うかなと。来年も西武でプレーすることが自然だと思います」

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