社名変更などを発表したジャニーズ事務所の会見=10月2日、東京都
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 故ジャニー喜多川氏による性加害問題に対し、ジャニーズ事務所は10月2日の会見で、社名の変更や新会社の設立、被害者への補償などを進めると発表した。同社のタレントをCMに起用するなどしてきた企業にはこれまで、「ジャニーズ離れ」は見られるものの、同社の「再出発」を支えようという明確な動きは見えていない。SDGsの理念を掲げる大手企業が、人権尊重よりも経営リスクでタレントを切っているだけ――。人権問題に詳しい専門家は、そう指摘する。

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 帝国データバンクによると、テレビCMなどにジャニーズのタレントを起用した上場企業65社のうち、9月末の時点でCMの放映などを「中止する」と表明したのは19社、契約満了後に「更新しない」などとした企業は14社にのぼった。

 同社によると、起用の見直しの理由として「ジャニーズ事務所の対応が不十分」を挙げた企業が多く、今後の再建策次第では「続投」や「再起用」に方針転換する可能性があるとした。

 会見翌日の3日、経済同友会代表幹事の新浪剛史・サントリーホールディングス(HD)社長は、社名変更などが発表された2日の会見を「前進した」と評価しつつ、「取引を再開するモードにはなっていない」と述べた。

 サントリーHDは、ジャニーズ所属タレントの広告起用について「納得いく説明があるまでは、新たな契約を結ばない」との方針を示している。新浪社長は「被害を受けた方が、きちっと救済されていることを見ていかなくてはならない」などとして、被害者への補償や新会社の運営などをさらに見極める考えを示した。
 

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SDGsを掲げている企業なのに