受賞したというのは、2020年の環境省グッドライフアワードの「実行委員会特別賞 サステナブルデザイン賞」のことだ。加藤氏は2019年9月から約1年間、環境大臣政務官を務めていた。
この件について、加藤氏の事務所に問い合わせたところ、
「当該分野に知見を有している有識者で構成された実行委員会で厳正な選考を行われているとのことです。政務官などの意思が働く余地はまったくありません。質問にあるような『(加藤氏が)直前まで政務官だったから受賞できた』とする事実はございません」
などとする回答だった。
「カネ集めに精を出した」
一方、元秘書はこうも続けた。
「山形では加藤家といえば名門です。一方で、カネ集めが下手でも知られていました。そこで父の紘一氏は、会社経営者を秘書にしてカネ集めに精を出しました。その結果、会社経営者は政治団体を舞台に紘一氏のスポンサーを巻き込み、脱税事件で逮捕され、紘一氏も政界引退に追い込まれました。加藤氏が子どものころは、多忙な紘一氏に代わり、私が子守もしました。加藤氏に期待したいですが、紘一氏のカネで失敗した部分は引き継いでほしくないです……」
佐藤氏が逮捕されたときに問題となった会社や個人が、加藤氏の政治団体に多額の献金を続けていることが政治資金収支報告書から読み取れる。
一連の「政治とカネ」の問題についても、加藤氏の事務所に問い合わせた。
刑事告発されているパーティー券については、
「スタッフが寄付金として現金を預かったものの、パーティー券と誤解したので訂正しました。パーティーの開催日の記載をとらえて寄付相当額の残高がないという指摘は事実に反します。告発については告発状を見ていないのでわかりません」
との回答。
そして池田氏らとの関係については、
「地元を活性化させるために地域の活動に参加し、一緒に写真を撮ることもあります。池田氏も地域の集まりの一人です。日本西海岸計画のメンバーではありません。チェンジ社にWEB関係の支出をしているのは、破綻・破産手続きの2年前のことです」
また、父親の事件で問題になった企業からの寄付については、
「法令遵守を心がけ、適正に行っています」
との内容だった。
上脇氏は、
「政治家は、疑いをもたれるような人や企業との付き合い、カネをもらうようなことはあってはいけない。大臣という国を動かす人ならなおさらです。政治資金収支報告書を訂正するような疑いがあること自体が非常に問題です」
と指摘している。
(AERA dot.編集部・今西憲之)