内閣改造でも支持率は苦戦が続く岸田文雄首相。ほとんど代わり映えしない閣僚だが、今回、目玉として打ち出したのが5人の女性大臣だ。しかし、早くもというか、続々というか、「政治とカネ」の問題が指摘されている。加藤鮎子・こども政策担当相もその1人。政治家の名門家系だが、親子でカネの問題が取り沙汰されるというのは、ほめられたことではない。
「政治団体にお金がないのにパーティー券を購入している。“裏口座”がどこかにあるのか。大臣になるような人が『政治とカネ』で疑惑を持たれていたらいけない」
そう話すのは、神戸学院大学の上脇博之教授だ。
加藤氏は、2021年10月に都内で開いた政治資金パーティーで、自身の政治団体「鮎友(ねんゆう)会」が、250万円分のパーティー券を購入したと政治資金収支報告書に記載がある。
政治資金規正法は、政治資金パーティーの開催者は、「同一の者から150万円を超えて当該政治資金パーティーの対価の支払いを受けてはならない」と定めている。
そして「鮎友会」の収支状況から、「250万円のパーティー券を購入できる資金はなかったことも同法に違反する」などとして、上脇教授は9月21日付で山形地検に刑事告発した。
父はカネの問題で政界を引退
加藤氏をめぐっては、山形で母親が所有する事務所の賃料について、地元の相場よりも高い金額を支払っていたことが判明するなど問題が噴出している。
加藤氏といえば二児の母親で、父は官房長官や自民党幹事長など要職を歴任し、宏池会(現、岸田派)会長を務めた故・紘一氏だ。小泉純一郎元首相、山崎拓元副総裁とともに「YKK」の一角を担い、「首相に最も近い」と言われた時期もあった。しかし、事務所代表による脱税事件などの問題で失脚し、政界引退に追い込まれた。
親子で「政治とカネ」の問題が表面化したわけだ。
さらに、加藤氏の政治団体の収支報告書を見ていると、過去に報じたある会社と人物の名前が見つかった。