第70回日本伝統工芸展を観覧する天皇、皇后両陛下と長女愛子さま。日本工芸会総裁を務める秋篠宮家の次女佳子さまが出迎えた=9月20日、東京都中央区
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 9月に天皇ご一家が訪れた「日本伝統工芸展」で、案内役を務めた秋篠宮家の次女・佳子さまを、天皇陛下が「佳子ちゃん」と呼んだことが、話題になった。昭和までの皇室には、父母を「おもうさま」「おたたさま」と呼ぶような独特の宮中言葉があったが、令和の天皇陛下は幼少時に、「パパ」「ママ」という言葉を先に覚えたともいわれている。天皇陛下や皇族方はふだん、お互いをどのように呼び合っているのだろうか。

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 波のてっぺんに金粉と貝の粒、そして真珠が置かれている。白から青、紺色のグラデーションが波のように煌めく彫漆の工芸作品。

 天皇ご一家と案内役の佳子さまは、この彫漆箱の前で足を止めた。総裁を務める佳子さまが「日本工芸会総裁賞」を贈った作品だ。

「この作品は、佳子さまが自ら総裁賞にお選びになったのですよ」

 蒔絵(まきえ)の人間国宝で日本工芸会副理事長の室瀬和美さんが、そう説明した。彫漆箱を見ていた天皇陛下は、

「佳子ちゃん、どうでしたか?」

 と、穏やかにたずねた。皇后雅子さまも、声をかける。

「どのような感想を?」

 佳子さまも公務中だが、声のトーンは明るい。

「色の移り変わりがグラデーションとなり、とてもきれいでした」

 両陛下の隣で、長女・愛子さまもほほ笑んでいた。
 

 室瀬さんによれば、「日本伝統工芸展」では10回の節目ごとに、天皇、皇后両陛下が訪問してきた。70回目の開催となった今年は、両陛下に加え愛子さまも「ご一緒したい」と希望したのだという。

 愛子さまは会場でも、

「工芸の作品が好きです。こういう展覧会を見るのが私、大好きなんです」

 そう話し、顔を輝かせていたという。
 

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天皇陛下は「佳子ちゃん」「悠仁ちゃん」