笑い話にする「性被害」

 ジャニーズ事務所の会見を、男性と一緒に見ていた30代の女性は、知人でもあるジャニーズ事務所の所属タレントのことを思い出していた。

「彼は飲み会で、ジャニー喜多川氏に口淫されたことを、面白おかしく話すことが何度もありました」

 女性はそのたびに「笑えないよ」と止めた。しかし彼は、意味がわからないという顔をするばかりだった。

 幼いときに受けた経験が「性被害」であったことを、彼がどれだけ理解できていたのか。そして、「ジャニーズ」の名前が消えることになった今、彼は当時を振り返ってどう思っているのか……。女性は話す。

「性被害を受けていたのだと認識していない人が、ほかにもいるのではないでしょうか。そんな彼らにも、救いの手を差し伸べてほしい」
 

 ジャニーズ事務所の会見では、9月末までに478人から被害の申し出があり、そのうち325人が補償を求めていることも明らかにされた。東山社長は「これほどだったのか。今後、人数が増えるかもしれない」と語った。

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)

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