24時間営業でスタッフがいないチョコザップの店舗。利用者が次々に入れ替わり、それぞれのトレーニングメニューに励む(撮影/伊ケ崎忍)
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 ようやく暑さも一段落して、日頃の運動不足解消に、さあ体でも動かそうか、とお考えの方も多いだろう。でも何を、どうやって? なかなか始まらない、始められない方々に、記者の「コンビニジム」体験記を紹介する。AERA 2023年10月9日号より。

【写真】アプリに表示された体組成計の計測値に基づく記者のカラダ記録

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 長年の不摂生で内臓の調子が春以降ずっと悪い。おまけに猛暑で食欲も減衰。この夏は日課のウォーキングも途切れがちで、ほぼ室内にこもりきりだった。さすがにこれではまずい。少しでも体力を取り戻すべく、ジム通いを決心した。とはいえ、すぐに飽きる可能性もある。高価な入会金や会費を払うのは論外だ。そもそも猛暑の日中にジムに出かける気にもなれない。通うなら早朝か深夜。そう考えると、「コンビニジム」しか選択肢はなかった。

 ずっと気になっていたのが、RIZAPが運営する「chocoZAP」(チョコザップ)だ。昨年7月のブランド開始以降、急成長を続け、店舗数は880店舗、会員数は80万人(いずれも8月15日現在)を突破。業界トップの人気を誇る。「どうせなら仕事を兼ねて」ということで、秋の気配が程遠い9月1日から体験ルポに臨んだ。

スマホをかざして入館

 初期費用は入会金と事務手数料で5千円(税込み)、月会費3278円(同)を合わせて8278円。入会すると体組成計とヘルスウォッチがもらえる。これらをスマホにダウンロードしたチョコザップのアプリと連動させる。体重を測るのは昨年の健康診断以来だ。恐る恐る数字をのぞくと59.8キロ。BMI(身長と体重の関係で肥満度を表す指標)は21.2で、いずれも「標準」と表示されていたが、60キロを切っているのには驚いた。中学生以来だろうか。

 無理もない。思い起こせばこの2カ月間、肉や魚はほぼ口にせず、毎日ソーメンばかり、というヴィーガンのような食生活だった。体内年齢は44歳と実年齢より10歳若かったものの、内臓脂肪は9.0。メタボリック症候群の診断基準である「10以上」の一歩手前だった。健康診断で「境界型糖尿病」と診断されたこともあるため自覚はしていたものの、やはり運動不足はカラダに良くないのだと悟った。

 仕事がひと段落した午後9時。いよいよ「初チョコザップ」へ。アプリを起動し、最寄りのジムの混雑具合を確認する。金曜夜のため混んでいるかと思ったが、表示は空きを示す「空」だった。ジムは自宅から片道2.6キロ、徒歩で約20分。ウォーキングにはもってこいの距離だ。スマホに表示された入館証のQRコードを入り口でかざして入館する。

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