明らかにryuchellさんの心境の変化を感じたのは、今年に入ってからだ。ryuchellさんは自身2枚目となるアルバムをリリースし、全国ツアーも実施した。容貌もより女性らしくなり、SNSでは「かわいい」といった声もたびたびあがるようになっていた。
このときからryuchellさんは自分の新たな役割を実感していったように思える。4月、ツアー後の感想を聞いた際にryuchellさんはこう答えた。
「正直に言うと、私が表に出続けていいのだろうか、と自分の価値について思い悩むこともありました。ただ、ファンの方のお声が聞けて、改めて、『私も誰かのためになれている』、『勇気を与えることもできている』と思えました」
最後にryuchellさんを取材したのは6月19日だ。この日は最近の子どもとのかかわりや、仕事の話を聞いた。ファンの方々の恋愛や悩みの相談に乗ったり、講演会や番組に出たりする中で、自分の役割を改めて実感している様子だった。自身の批判の声についても言及があった。
そんな中でryuchellさんの訃報は突然やってきた。7月23日に配信予定だったryuchellさんの原稿を編集している矢先だった。今でも信じられない気持ちがある。