IMFの予測によると、日本、韓国、台湾の相対的な関係は、今後も暫くはいまのままで続く。しかし、韓国の成長率が日本より大幅に高いので、近い将来に韓国も日本を抜く可能性が高い。

 これまでも、シンガポールと香港の一人当たりGDPは、日本よりかなり高かった(2022年で、シンガポールは世界第5位、9万9935ドル、香港は第16位、6万2015ドル)。ただし、人口は数百万人だ(シンガポールは569万人、香港は748万人)。つまり、都市国家であって、日本とは簡単に比較できない面がある。

 それに対して、台湾は人口が日本より少ないとはいえ、数千万人のオーダーだ(2357万人)。この規模の人口のアジアの国・地域の一人当たりGDPが日本とほぼ同じになるのは、初めてのことだ。

 韓国、台湾の成長率は日本よりかなり高いので、韓国、台湾が日本を抜くだけでなく、将来は差が拡大していく可能性が強い。

賃金で日本が韓国に抜かれたかどうかは、議論の余地がある

「賃金では、数年前から、日本は韓国に抜かれていた」との指摘があるかもしれない。確かに、OECDのデータによると、年間平均賃金では、すでに2015年に、日本は韓国に抜かれている。そして、2021年には、日本が3万9711ドルに対して、韓国が4万2747ドルになっている。

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国際的地位の低下の原因は、低成長率と円安