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「8歳の子どもが“エナジードリンク一気飲み”で中毒症状」。2023年1月、衝撃的なニュースが飛び込んできた。エナジードリンクに多く含まれるカフェインは「耐性のできていない子どもが一気に摂取することで命に関わる危険がある」と専門家は指摘する。子どもをカフェイン中毒から守るために、親世代は何に気をつけるべきなのか。そして、子どもたちを「カフェイン依存」に走らせるものとは――。

【図表】子どものカフェインの安全な摂取基準値(カナダ保健省)はこちら

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 学校に居場所がない、友人関係の悩み、勉強やスポーツの成績における周囲からのプレッシャー……。行き場のない苦痛の緩和を求めて、カフェイン依存から抜け出せない子どもや若者が後を絶たない。

 2017年の日本中毒学会の調べでは、急性カフェイン中毒で救急搬送された患者は5年間で101人にのぼった(うち3人が死亡)。平均年齢は25歳で、95%がカフェイン入りの錠剤を大量に口にしたことが原因だったという。

 背景には、大幅に市場拡大したエナジードリンクの存在がある。甘くて飲みやすく、覚醒作用があることから社会人や受験勉強中の児童・生徒に人気が高い。だが、「若いうちにカフェインに頼り過ぎるのは危険」と警鐘を鳴らすのは、薬物依存研究の第一人者である国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦医師だ。

「子どもの脳は過敏で、外から化学物質を摂取すると中枢神経が強く反応します。また、大人ほどコーヒーやお茶を飲み慣れておらず、耐性ができていないことから、一気に摂取することで致死的な不整脈が出てしまう可能性があります」(松本医師)

 日本小児科学会によると8歳の子どもが自動販売機で購入したエナジードリンクを一気に飲んで中毒症状に陥り、吐き気などの症状が5時間以上治まらなかった例もある。また、発育期の脳に深く関わる神経伝達物質、ドーパミンに悪影響を及ぼす可能性があり、脳のエネルギーが不足しがちな体質になってしまう危険があるという。

「お茶やコーヒーの苦味がおいしいと思えるようになるには、一定の成熟が必要です。従来であれば放っておいても子どもたちがカフェインをたくさん摂取することはなかったはずですが、今は甘い飲み物として、だれでも気軽に手に入れられるようになった。カフェイン含有量が多い飲み物に関しては、購入できる年齢制限を設けるなど、何らかの対策が求められるでしょう」(同)

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子どものカフェイン依存を防ぐには、大人の目が必要