(エミン)それ、日本が乗れてない産業なんだよ。じゃあ、アメリカ以外の国が乗れたかっていうと、そうでもない。
(パックン)日本の電機メーカーや半導体がイマイチな点はどう見ていますか?
(エミン)実は半導体って、アメリカが強いんです。特許も初期の研究もアメリカ。
日本は1980年代後半のDRAM(半導体記憶装置)で注目されたけど、DRAMからロジック(CPU=中央演算処理装置)に市場が移った。
もともと日本が半導体産業をリードしていたというのは誤解かも。
(パックン)半導体を作っていなくても、半導体を使う製品そのものがよければいいのでは?
そういえば日本に来たとき、「パナソニック(当時、松下電器産業)って日本企業なの!」って驚いたよ。
(エミン)おっしゃる通り。ソニーだってトランジスタラジオから「ウォークマン」など、世界をリードする商品を作っていたよね。
「iPod」だって、ソニーはアップルと同等の技術を持っていたのに先に出せなかったんだ。惜しすぎるよ。
(パックン)なんだか悔しいよね。
(エミン)イノベーション(技術革新)を生むアイデアを出せる人間がその時代に存在するかどうか、って大きいと思う。
たとえば、スティーブ・ジョブズがいなくなった今のアップルが「iPhone」の次を担う大ヒット商品を出せるかはわからない。
(パックン)複数のアップル商品を連携させたエコシステムには新商品が加わっているけどね、アップルウォッチとか。
(エミン)私はアップルウォッチ、つけているよ。どのくらい運動したか見ている。歩数とか心拍数とか。
(パックン)私は普通の時計だから心拍数がすぐにわからないな。エミンさんは? いま心拍数を見れば、この対談がどんなにエキサイティングか、わかる。
(エミン)心拍数70。
(パックン)そこそこ高めだね(笑)。
――S&P500や全世界株式の投資信託をつみたてている人が多いですが、お二人の資産運用はどんな感じですか?