タレントのパックンさんと経済評論家のエミン・ユルマズさん(撮影/小山幸佑)

「パックンマックン」のパックンことパトリック・ハーランさんとエコノミストのエミン・ユルマズさんの対談。アエラ増刊「AERA Money 2023秋冬号」より。

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 ラジオ番組の収録をきっかけに知り合い、「どこかのメディアで対談したいね」と意気投合していた、パックンさんとエミン・ユルマズさん。タレントと経済の専門家––––。

 二人の本業は異なるが、流暢(りゅうちょう)な日本語で経済や資産運用の情報を発信するという共通点はある。一方、投資手法やお金の使い方については、それぞれの持論があるようだ。

(パックン)もう私は30年、日本にいるよ。エミンさんは何年?

(エミン)25年ほどになるかな? パックンは日本の会社で働いたことあるの?

(パックン)あるよ。専門学校付属の英会話学校。日本のみなさんと同じスタッフルームで働いてたよ。朝礼に参加して、ラジオ体操もやってた。なんで英語を教える前に準備運動が必要なんだ、って思いながら。

(エミン)パックンはよく言われる「失われた30年」を経験したわけだね。

(パックン)失われていないと私は思っているんだけど(笑)。

(エミン)実は私も(笑)。パックンと同じく「失われた」は違うと思う。

日本人はバブルのピークのときと比べているよね。それはおかしい。

だって、異常だからバブルと言われるわけでしょ。比べるならバブル期直前の1985年と今、とか。

(パックン)その通りだ。ただ、失われたものが一つもないわけじゃない。

たとえば日本のブランド力。1980年代には自動車や電機メーカーがすごかった。銀行などの金融関係も世界有数だった。

 この30年、アメリカではアップル、グーグル、フェイスブックなどの会社が生まれて成功したけど、日本はGAFAMに匹敵する企業やサービスが一つもできてないんだよ。

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編集部注:GAFAMはグーグル(親会社はアルファベット)、アップル、フェイスブック(メタ・プラットフォームズ)、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトの頭文字をとった造語で「ガーファム」と読む。なお、この対談はお二人が話した口調のままをお伝えするため、正式名称で記載していない社名などがあります

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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日本の電機、半導体がイマイチ?