今月28日に開幕する朗読劇「ハロルドとモード」に出演する向井康二さん。演じるハロルドの内面を自身に重ねた。AERA 2023年9月25日号より。
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――向井康二さんにとって初挑戦となる朗読劇「ハロルドとモード」。今月28日に開幕する舞台で演じるハロルドは、愛に飢えた少年。まっすぐな愛にあふれ、包まれている印象の向井さんとは正反対にも感じますが。
向井康二(以下、向井):「逆やね。もちろん、自分と違うところは寄せるよ。寄せるけど、俺は、原作があるものは、100パー(セント)その人になろうとは思わないの。なれるわけがない。例えば、え、この人がこの役やるん?っていう意見もあると思うけど、映画や舞台って、原作を表現しました、ってことやからね。俺の芝居の理想としては、“俺がやるその人”を演じる、っていう感じやね。
でもな、逆やけど、一緒なとこもあるんよ。愛がほしいとことかは、似てる。表現の仕方が違うだけ」
――いちばん共感できるのは、その「愛がほしい」ところ?
向井:「愛がほしいけど、不器用なとこやね。ハロルドもさ、勘違いされるやん? こうしたら喜ぶかなって思っても、傍から見たら違うんよ。そういうとこ、わかるなって。ただまあ、最近の俺はもう、ストレートに言うけどね」
――昔は言えなかった?
向井:「昔はね、なんか、不器用でした、もっと。言えないっていうか、まだ自分を出せないって感じ。遠慮があって。
いや、昔って言っても、関西のころは、もっと出せてたよ。東京来てからちょっと出せなくなって。デビューして、最近、落ち着いてから、また戻ってきたって感じかな」
――たしかに、Snow Man加入直後の、2019年春のライブのころは、“頑張っている”という印象を受けました。
向井:「いまも頑張ってるよ、お仕事は、もちろん。1個ギアは上げる。でも、そうやね、あのときはまだ、出しかけてるころやね。自分探しをしてたころですわ」
――遠慮せずに、自分を出せるようになったきっかけは?
向井:「時間ですね。時です」