年齢とともに変化する卵巣の状態を知り、積極的にケアしましょう ※写真はイメージです (c)GettyImages

 月経や妊娠をサポートする卵巣は、女性の身体と密接に関わる大切な器官。年齢とともに変化する卵巣の状態(卵巣年齢)を知り、その働きを健やかに保つよう、積極的なケアを心がけましょう。この記事では、日本漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をベースとして、女性が一生をいきいきと過ごすために欠かせない【卵巣ケア】について分かりやすくご紹介します。

【図版】卵巣ケア4つのポイントはこちら

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卵巣を健やかに保ち、いきいきとした人生を

 卵巣には、排卵によって月経の周期を整えて妊娠をサポートする、女性ホルモンを分泌して女性らしい身体を作る、気持ちをコントロールして精神を安定させる、といった女性の健康に深く関わる大切な働きがあります。

 卵巣の働きが活発になるのは平均10歳ごろ。この時期から女性ホルモンの分泌が盛んになり、12歳前後で初潮を迎えます。10代後半にかけて月経周期が安定すると、20〜30代で卵巣の働きは最も活発に。

 その後、40代に入ると卵巣の働きは少しずつ衰えはじめ、やがて閉経、更年期を迎えます。バランスの崩れやすいこの時期は心身の不調に悩まされることもありますが、50代に入り女性ホルモンの分泌がなくなると、徐々に心も身体も穏やかな状態に。この時期を第2の人生として、いきいきと前向きに過ごす人も増えています。

 このように、卵巣の働きは女性の一生と深く関わっていて、その機能を元気に保つことは充実した人生を過ごすためにも大切なこと。卵巣の主な働き(月経や妊娠)と密接に関わる「血(けつ)」「腎」を健康に保つよう心がけ、年齢とともに変化する卵巣を健やかに整えて、いつまでもいきいきと元気に過ごしましょう。

【チェック】年代別・卵巣ケア

 卵巣の状態は、年齢とともに変化します。「卵巣年齢」に合わせたケアで、生涯を元気に、快適に過ごしましょう。

成長途中の10代

<気になる症状>
憂鬱、イライラ、怒りっぽい、頭痛、食欲不振、摂食障害、下痢または便秘、月経前緊張症、月経痛、月経不順

<改善ポイント>

 初潮を迎えて身体も女性らしく成長する10代は、月経やホルモン分泌のリズムを整える大切な時期。卵巣の機能もこの頃から徐々に活発になります。この時期は、無理なダイエットや思春期特有のストレスで卵巣機能にダメージを与えてしまうことも。

「血(けつ)」と「腎」を補いながら、ストレスをコントロールする「肝(かん)」の機能を高めるよう心がけましょう。

<摂り入れたい食材>
「肝(かん)」を整える食材を。
そば、みかんの皮、香草類、玫瑰花(マイカイカ)茶、ジャスミン、ミント、菊花茶、うこん、春菊など

「肝」を整える食材、春菊 PhotoAC
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妊娠や出産に適した20代、30代のケアとは