18年ぶりの歓喜に、大阪・ミナミの道頓堀では“お約束”の川にダイブする人も出た。優勝当日に親会社、阪急阪神ホールディングスの株価が年初来高値を更新するなど、周辺は沸き立つ。関西大学の宮本勝浩・名誉教授の試算では、今年の阪神優勝による関西地域での経済効果は約872億2114万円で、WBCでの侍ジャパンの優勝時(約654億円)をも上回る。
宮本氏は「一般的には、2~3年おきに優勝していると優勝慣れをして盛り上がりが少なくなるが、待ちに待った18年ぶりの『アレ』で阪神ファンが大いに盛り上がったこと」などを理由に挙げた。
この試算に、日本シリーズ進出は加味されていない。前のめりに展望すれば、パ・リーグを独走し、日本シリーズ連覇を目指すオリックスとの“関西ダービー”が濃厚だ。2年連続でノーヒットノーランを達成し、球界を代表するエースの山本由伸や宮城大弥ら、12球団屈指の投手陣を誇る。かつて岡田監督が指揮したチームでもある。関西の球団同士のシリーズは、最初の東京五輪があった1964年以来。この時は、後に阪神監督にもなる野村克也捕手がいた南海ホークスに、3勝4敗で敗れている。
1985年以来の日本一はなるか。お楽しみはこれからだ。(編集部・秦正理)
※AERA 2023年9月25日号