優勝を決めた夜、18年ぶりの歓喜に沸き立つ大阪・道頓堀

 序盤から快走したチームは、9月に入って一段と加速して勝ち星を重ね、怒濤の11連勝。優勝を決めた試合では先発の才木浩人が好投し、打っては近本光司、中野拓夢の1、2番コンビが出塁して主軸の大山悠輔、佐藤輝明が打点を挙げる、今シーズンを象徴するような試合運び。指揮官が「ちょっと勝ちすぎましたね」と、詰めかけた大観衆を笑わせるほどに盤石だった。

二けた勝利トリオ躍動

 就任当初から「投手陣を中心とした守りの野球」を掲げた指揮官の言葉通り、投手陣が躍動した。先発は数がそろい、伊藤将司、村上頌樹(しょうき)、大竹耕太郎の二けた勝利トリオに加え、西勇輝、才木、当初は不振だった青柳晃洋も安定した投球を見せた。

 05年の優勝時にはジェフ・ウィリアムス(J)、藤川球児(F)、久保田智之(K)という鉄壁のリリーフ陣でペナントを制した。「まだJFKまではいかないですけどね」と岡田監督は言うものの、岩貞祐太、桐敷拓馬、島本浩也、抑えの岩崎優ら左腕を多く抱え、右の加治屋蓮、石井大智ら含め、今季のリリーフ陣も充実のラインアップだった。

 攻撃では上位打線を固定。近本、中野は盗塁数リーグ1、2位と足でかき回し、大山、佐藤輝は打点でリーグ10傑に入る活躍を見せた。スタメンに定着したドラフト1位ルーキーの森下翔太も快打を続け二けた本塁打を放ち、下位を打つ木浪聖也、梅野隆太郎らまで隙がなく、それぞれが役割を全うしていた。

亡き横田さんとともに

 それでも、チームに影が差したこともある。

 7月には近本が右わき腹への死球で骨折。その後、広島の猛追で一時は首位の座を明け渡した。8月には捕手梅野が左手首に死球を受け骨折し、中心選手を失う事態が続いた。

 元阪神の外野手、横田慎太郎さんが、脳腫瘍で28歳の若さで亡くなるという悲報もあった。岡田監督に続いて胴上げされたのは、横田さんと同期入団の岩崎。その手には、横田さんの現役時代のユニホームがしっかりと握られていた。

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