ハダカデバネズミが産生する高分子量ヒアルロン酸は、低分子量ヒアルロン酸とは異なり、組織の恒常性を改善し、抗炎症や抗酸化作用を示すことが知られています。ハダカデバネズミでは、高分子量ヒアルロン酸を産生する遺伝子の発現が高く、ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼの活性も低いため、高分子量ヒアルロン酸が全身に多く蓄積されています。

 研究では、ハダカデバネズミのヒアルロン酸合成酵素遺伝子を多く発現させたモデルマウスが作製されました。このマウスでは、ヒアルロン酸のレベルが上昇し、がんの発生率の低下や寿命の延長、健康寿命の改善が観察されました。

 なぜ高分子量ヒアルロン酸が長寿の秘訣となるかについても、この論文では調べられています。高分子量ヒアルロン酸が、免疫細胞への直接的な免疫調節効果や酸化ストレスからの保護、そして腸管バリア機能の改善によって、炎症を抑える働きがあったようです。

 ハダカデバネズミが進化によって獲得した長寿のメカニズムは、ほかの種にも応用できる可能性があります。高分子量ヒアルロン酸を活用することで、寿命と健康寿命の改善が期待されます。今後は高分子量ヒアルロン酸に着目したアンチエイジング技術が開発されていくことでしょう。

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