岡田監督は現在65歳とまだまだ球界に体育会系のノリがある中で育った年代だが、いわゆる“Z世代”と呼ばれる若手との接し方も非常に上手いという。

「ベンチ裏など表に出ない場所で選手と頻繁に会話している。その際は選手に話をさせ自身は聞き役に徹する。就任当初は岡田監督に対し恐怖心がある選手もいたはずだが、『受け入れてくれる』と理解してからはどの選手も自身の思いをストレートにぶつけている。年齢や世代を超えた信頼関係ができているようです」(阪神関係者)

 岡田監督と20代の選手とでは40歳以上の年齢差があり世代間ギャップがあってもおかしくない。しかし「話を聞いてあげる」ことで信頼を勝ち取り、選手がプレーしやすい環境を作り上げた。

「選手の言い分を受け止めた上で監督として必要なことを伝える。『おーん』など抽象的な言葉使いが話題だが、選手には言葉をわかりやすく噛み砕き説明している。納得しないと一切行動しない、と言われるZ世代をその気にさせるのはすごい」(阪神担当記者)

 そして、同時に昭和の良さを持ち合わせるのも岡田監督の魅力。選手に対して義理や人情を忘れない姿も求心力が高い理由となっている。

「見た目や言動から冷めた感じにも見られがちだが、人間関係を大事にする男気溢れる人。優勝争いをしていながら個人記録に対してもしっかり気を配っている。チーム状態で一喜一憂することはないが、選手を守るためには絶対に引かない。かつてプロ野球選手会の3代目会長を務めたのも納得できます」(阪神関係者)

 新人王と最優秀防御率のタイトルがかかる村上頌樹について、「何とか獲らせてあげたいよな」と語り優勝目前には先発ローテーション再編を行なった。伊藤将司の志願に応え続投させたこともあった。チームだけではなく選手の個人記録や気持ちも重視している。

 また、自らが先頭に立ちチームと選手を守る姿は周囲を惹きつける。死球をぶつけられた際の相手チームの対応の悪さを公に批判したり、納得できないジャッジに対して退場覚悟で抗議も行なった。今の時代では「炎上」して大規模な批判にさらされてもおかしくないが、覚悟の上で行動できる監督だ。

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