足にフィットした靴を

 安定した歩行には、足指や足の甲の力をつけることも必要だ。足指の筋肉を鍛えるにはタオルを足指を使ってつかむ「タオルギャザー」が有効だという。

「100歳までウォーキング」は股関節症や膝関節症、腰痛などの障害がある人でも、メディカル・ノルディックウォーク(2本のポールを用いるウォーキング)や水中ポールウォーキングなどを通して保存的治療を行い、100歳になっても介助なしにウォーキングできる体づくりを目指している。

「足と靴と健康協議会」(東京都台東区)事務局長の木村克敏さんは、自分の足にあった靴を履かないと、足の蹴りや、踏み出しなどに影響して正しい歩行がしづらくなると指摘する。

「多くの方が実際のサイズより大きめの靴を選ばれている印象です。そうなると靴の中で前滑りしてしまい、正しく踏み込めません」

 足部のトラブルはひざや腰、股関節にも影響するという。

「靴でなった病気は靴で治せます。まずは自分の足のサイズを知ること。足長、足囲、足幅を測り、自分の足にフィットした靴を選びましょう。紐靴であれば、紐を一度ほどいて足を入れてからもう一度紐を結び直して履く。これだけでも違います」

 歩きか走りか、目的によって選ぶ靴も変わるというが、足の負担の軽減という意味では「初心者用のジョギングシューズがお薦めですね」(木村さん)。

 クッション性がある靴がいいという。

 歩きすぎから変形性股関節症となり、近く人工関節手術を控えた女性は、こう呟いた。

「モノには限度があると身をもって知りました。もう1日1万歩は歩きません。これからは歩いても5千歩ぐらいかしら。水中ウォーキングでもいいかな」

(ライター・大崎百紀)

AERA 2023年9月18日号より抜粋

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