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 2023年、資生堂社長に藤原憲太郎が就任した。藤原は香川大の出身で、1991年に同社に入社し、ヨーロッパやアジアで事業を展開し、韓国資生堂社長をつとめるなど海外畑を歩んだ。 日本を代表する企業トップは、新卒で入社してさまざまな仕事で実績をあげ、社内で頭角を現してきたというケースが多く見られる。「社長の出身大学」ランキングをもとに、大学の強みを読み解いていこう。発売中のアエラムック「就職力で選ぶ大学2024」(朝日新聞出版)より紹介する。

【社長の出身大学ランキング】全企業、一部上場企業、女性社長(全3枚)

 20年以降に就任した、新卒入社、生え抜きの社長の出身校を紹介していこう(合併統合以前、系列、傘下、前身の企業を含む)。

  • 東京大:中島篤(三菱地所)、半沢淳一(三菱UFJ銀行)、中西勝也(三菱商事)、丹羽俊介(JR東海)、永島英器(明治安田生命)、笹山晋一(東京ガス)。
  • 一橋大:植田俊(三井不動産)、福留朗裕(三井住友銀行)、曽我貴也(日本郵船)。
  • 名古屋大:清水哲也(大同特殊鋼)。
  • 京都大:藤江太郎(味の素)。
  • 九州大:古宮洋二(JR九州)、林田浩一(西日本鉄道)、五島久(福岡銀行)。
  • 早稲田大:佐藤恒治(トヨタ自動車)、南真介(いすゞ自動車)、十時裕樹(ソニーグループ)、山北栄二郎(JTBグループ)、林新之助(デンソー)、品田正弘(パナソニック)。
  • 慶應義塾大:星野浩明(東急不動産)、堀口英樹(キリンビール)、増田裕一(カシオ計算機)、工藤幸四郎(旭化成)、大矢光雄(東レ)。
  • 京都産業大:毛籠勝弘(マツダ)、辻永順太(オムロン)。
  • 同志社大:岡嶋信行(南海電気鉄道)。
  • 立命館大:吉村文雄(東映)。
  • 関西大:井川伸久(日本ハム)。
  • 関西学院大:泉恭雄(大広)、百北幸司(阪神タイガース)。

  これらは、いわゆる新人時代から社内の競争に勝ち抜きトップの座に就いた人たちといっていい。

社長の出身ランキング(全企業)
ランキングの見方:東京商工リサーチの企業データベース約400万社(2022年7月)の代表者データ(個人企業を含む)のうち、公開されている出身大学を抽出、集計した。同一人物が複数の企業で社長を務めている場合、売上高が高い企業を優先して重複企業を集計対象外とした。出身大学が名称変更、統合している場合、現在の大学名で集計した。人数には大学院出身者を含む場合がある。そのため「全企業」では、女子大学の出身者に男性の大学院出身者が含まれる場合がある。◎2022年

 三菱グループの会社経営者に東京大出身が多いのは、いまの時代にあって巡り合わせのようなものだが、東京大卒の社員が多いからという数の論理で考えるほうが合理的だろう。

 ちなみに、三菱商事の22年採用者の大学別では慶應義塾大25人、東京大21人、早稲田大20人となっている。なお、三菱商事の歴代社長の出身校を見ると、東京大7人、一橋大1人、慶應義塾大1人、上智大1人、早稲田大1人、京都大1人、ハーバード大1人となっている。かつて東京大学閥が強かったとみられる。

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2020年代の新社長、生え抜きから外様まで