円安が進むと通貨当局の危機感も高まる。先週は鈴木俊一財務相や神田真人財務官の発言が相次いだ。

 神田財務官は6日、10カ月ぶりに一時1ドル=147円台後半をつけたことを受け「政府としてはあらゆる選択肢を排除せずに適切に対応していきたい」「高い緊張感をもって注視している」などと述べた。鈴木財務相も8日の閣議後の記者会見で「過度な変動に対してはあらゆる選択肢を排除せず適切な対応をとりたい」と語った。

 クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司シニア・アドバイザーによれば、当局のこうした発言は、市場の動向をにらみながら段階を踏んで強度を変えているとみられるという。

 同グループは通貨当局の発言のトーンについて7段階に分けてとらえている(上の表)。今はこのうち「介入への最後通告の一つ前の段階」(斎藤さん)、つまり警戒度が2番目に強い段階にあたる。

 表にあるように、為替レートの動きが大きくなり始めた当初は「外国為替市場の安定が望ましい」といったコメントを出すが、変動の大きさに合わせて「外国為替市場を注視する」や「経済のファンダメンタルズを反映しないのは望ましくない」「為替レートの動きは明らかに行き過ぎ」といった具合に、より高い警戒感を示す表現になっていく。

「必要なら適切な措置をとる」や「あらゆる選択肢を排除しない」など「6」や「7」の段階にあたる発言がなされると要注意だ。為替介入への警告だったり、高い可能性があったりすることを示す。

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日銀の「レートチェック」