円安はどこまで進むのか
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 外国為替市場で円安・ドル高が進むと為替介入への観測が高まる。財務省などの通貨当局は、為替介入を行うまでに相場の行き過ぎを是正するため「口先介入」を行うのが通例だ。

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 市場関係者によると、通貨当局が円安や円高が進み過ぎた時などに行う口先介入には「(相場の)安定が望ましい」から「あらゆる手段を排除するつもりはない」などまで7段階のパターンがあるという。どんなコメントをしたら実際の為替介入が近いか、ベテラン市場関係者が参考にする一覧表を入手した。この“早見表”を見れば、当局の次の一手も分かる?

 9月13日昼前後のドル・円相場は1ドル=147円台前半で推移している。

 2日前の11日には日本銀行の植田和男総裁の発言を受けて同145円台後半まで円高・ドル安方向に押し戻された。しかし、ドルを売って円を買う動きが一服すると、再び円安・ドル高に向かう動きが優勢になりつつある。

 足元で円安・ドル高が進みやすいのは、日米の間に金利差があることが大きい。米連邦準備理事会(FRB)は当面、金融引き締めの姿勢を続けるとみられている。これに対し、日銀は緩和策をしばらく続けるとの見方が強い。

 植田総裁は、11日の円高のきっかけになった9日付の読売新聞のインタビューで、緩和策の柱の一つであるマイナス金利政策を解除する可能性に言及した。だが、市場では仮に解除するとしても利上げの幅は限定的になるとの指摘がある。

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段階を踏んで強度を変えている