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「新指数を算出しているJPX総研は、過去の推移をもとに試算モデルのシミュレーションを行っています。その結果を検証すると、期間が長くなるにつれてパフォーマンスが向上し、5年以上のリターンでは、すべての期間において、TOPIXをしのぐ結果となっていました」
長い目で見れば好パフォーマンスを期待できる裏付けとなっているのは、業績の拡大基調が顕著なことだ。5年平均で見た新指数採用銘柄の売上高成長率(売り上げの伸び)とEPS(1株あたりの純利益)成長率が上昇している銘柄は、TOPIX500(同指数採用銘柄の時価総額・流動性上位500社)よりもはるかに多い。また、米欧の著名な指数であるS&P500やSTOXXヨーロッパ600と比べても遜色がない。
加えて、株主資本コストが低いことにも重要な意味がある。
「業績のブレが激しい企業の場合は、株主がそのリスクを負うことになるため、その代償として株主資本コストが高くなりがち。逆に株主資本コストが低い銘柄は、業績の安定的な拡大が見込まれ、株主は目先のリターンよりも長期保有で企業の成長を享受しようと考えるものです」
現時点で、JPXプライム150に連動する投資信託はまだ登場していない。だが、届け出などの手続きに数カ月を要するので、年内にも設定が相次いでも不思議はないだろう。
「新指数に連動する投信は、長期の資産形成に適したものになりそうです。その意味でも、来年から始まる新NISAのつみたて投資枠で長期保有するのも一手」
近著に『迷わない新NISA投資術』(共著)があるファイナンシャルプランナーの菱田雅生さんはこう述べる。
無難なのは
「新NISAでは、年間120万円までのつみたて投資枠と、年間240万円までの成長投資枠が設けられています。比較的リスクを取りすぎずに長期分散投資を続けていくのが資産形成の王道で、積み立てが最も無難な手法であることは確かです。ただし、その中核に据えるのが無難なのは、最も広範の株式に分散投資が実践されているオールカントリー(全世界株式)でしょう」
オールカントリーを軸としながら、たとえば新興国の株式や日本の株式に連動する投信を組み合わせるのも一考に値するという。「正式に新NISAの対象となれば、JPXプライム150連動型もその選択肢の一つとなりそうです。個人的には、そうやって資産構成にアクセントをつけたいなら、成長投資枠で個別の株式を選択しますが……」
多くの人は、個別銘柄の取捨選択に困るはず。だとすれば、やはり指数連動型投信が無難だ。(金融ジャーナリスト・大西洋平)
※AERA 2023年9月18日号
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