学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
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小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(30)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、どんな環境で子どもを学ばせたらいいのか悩んでいる30代の女性からの質問に答えてくれた。

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Q. 子どもを育てる環境について、いつ受験するかも含めて考える日々です。廣津留さんは自分にお子さんができたときは、どんな環境で育てたいですか? 特に初等教育についてのご意見をお聞きしたいです。また、今の子どもたちに大切にしてほしいことなどメッセージがあれば頂きたいです。

A. 私は自分自身が大分の公立学校で育ったこともあって、もちろん場所にもよると思いますが、初等教育は公立の良さを感じます。想像にすぎないですけど、学校を受験する時点で、集まる人の価値観や家庭環境が多少似てくることはあるかもしれません。そういう意味では、当時は意識していませんでしたが、いろんなバックグラウンドや考えを持った人たちに出会えたのは、公立校のおかげもあったのかなと思います。

 社会に出ると、コミュニティーが固まりがちです。価値観や仕事、趣味などが近い人たちで括られてしまいます。そういう点で、小中学校時代は大人になったらなかなか出会えないタイプの人たちとも出会える可能性がある。その機会をできるだけ得てほしいなと思います。ライフステージの進み方が違うさまざまなタイプの友達がいると、自分の知見を広げるきっかけにもなるんですよね。私の年代ではバリバリ働いてキャリアを築いている人もいれば子育てを頑張っている人もいて、例えば、保育園問題についてニュースで見るのと、当事者である友達から「保育園問題が大変だ」と聞くのでは、捉え方が変わってきます。

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