野手も背番号「55」を背負う秋広優人が3年目のブレイクを果たし、その他にも門脇誠や中山礼都といった将来楽しみな選手が頭角を現しつつある。
「若手育成が少しずつ進んでいるのは認めなければならない。しかしどんな時でも巨人に求められるのは勝つこと。19年からのリーグ連覇は立派だったが日本一にはなれなかった。原監督が今後どのような道を選ぼうとも、来季は日本一という結果を残して欲しい」(巨人OB)
周囲から求められるものが“勝利”というのは原監督自身が最も理解しているだろう。監督としてのキャリアが最後になる可能性もある来季は、今まで以上になりふり構わずに勝ち行くとも見られている。
「力の落ちてきたかつての主力を外してでも目の前の勝利にこだわるはず。少しでも調子を落とした選手はどんどん代える。伸びつつある若手選手も同様で、育てるために我慢することも少なくなる。また、オフには選手層をより厚くするためFA選手や外国人助っ人の補強に動くことが予想される」(在京球団編成担当者)
巨人はここ2年連続でFA選手を獲得していない。以前のような巨人ブランドの力が無くなった影響もあるが、球団自体も若手育成を見据えて積極的ではなかった。だが、今オフは「積極的なFA補強を敢行するのでは」という声も多い。
「絶対的エースだった菅野智之の衰えが激しいので投手補強は必須。FA市場には先発の加藤貴之(日本ハム)、抑えの松井裕樹(楽天)という両左腕がいる。2人を同時に獲得できれば投手力を確実にアップできる」(巨人担当記者)
先発左腕が不足しており今季はグリフィン、メンデスという外国人選手頼り。大崩れせずに試合を作れる加藤が加入すれば先発のバリエーションが増える。またWBCに参加した抑えの大勢は現在離脱中で、プロ3年目の来季へ向けて不安もある。絶対的クローザーの松井が加われば、課題でもあるブルペン強化に間違いなく繋がるだろう。
FA補強とともに助っ人の補強に注力することも確実視される。当たり外れがある新外国人ではなく、既にNPB他球団での実績がある選手に絞って獲得に動くという見方もある。