「河村のスピードと勝負強さはNBAレベルでも通用するはずだが、やはり172cmという身長がハンデになるはず。同じようなサイズの富樫勇樹(千葉ジェッツ、167cm)がNBAに挑戦しても手が届かなかったのと同じような壁にぶつかるはず。個人のスキルを徹底的に磨き上げるとともに、他選手を効果的に生かせるようにすることで活路は開けるはず。NBAにも小さい選手は数多くいるので、そういった選手を参考に河村らしさを作り上げて欲しい」(河村を高校時代から知るスポーツライター)
話題となった映画「スラムダンク」では、小柄な主人公・宮城リョータがバスケットボールの本場・米国でプレーするラストシーンが描かれている。「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ」という名言が河村の未来を暗示しているようにも感じてしまう。
一方の富永も将来的に世界最高峰の舞台での活躍が期待されている。
「富永のシュート力の高さはNBA関係者の間でも高評価を得ている。特に3ポイントラインのはるか後方からでも決められる正確性、ゲーム終盤でも確率が落ちないシュート力とスタミナが素晴らしい。どの競技でもそうだが左利きというのも大きな武器。NBA選手になるためのプランを立てて米国の大学で経験を積み上げているのも大きい。怪我なくプレーを続ければ興味を持つチームは必ずあるのでアピールに成功すれば道は開けるはず」(在米スポーツライター)
尊敬するNBAのスター選手ステフィン・カリー(ウォリアーズ)も認める才能の持ち主。レンジャーカレッジからスタートして、NBAの登竜門的存在のNCAAのネブラスカ大に編入、NBAへのアーリーエントリーをした上でペイサーズのワークアウトに参加するなど、積極的に上を目指していく姿勢も魅力的だ。(最終的にアーリーエントリーは取り下げ、来季も大学でプレー)
「八村や渡邊はNBAで活躍している。贅沢な話だがNBAで数試合出場するだけでは物足りない時代になりつつある。NBAで結果を出し続けるには、技術力を高めるのはもちろん、タフな状況にも立ち向かう精神力、そして運も必要。一筋縄には行かないだろうが、河村、富永はもちろん他にもどんどんNBA選手が出てきて欲しい」(Bリーグ関係者)
今回のW杯で「アジア勢の最上位」となれば、1976年のモントリオール五輪以来48年ぶりに“自力”での五輪出場となる日本代表。31日にベネズエラ代表、9月2日にカボベルデ代表との順位決定戦を控えるが、五輪の出場権を獲得できるかはもちろん、河村、富永など“日本バスケ界の未来”のプレーに注目したい。