8月25日に開幕したFIBAバスケットボールワールドカップ2023。今大会はフィリピン、インドネシア、そして日本の3カ国共催となっているが、ホスト国の1つである日本代表チームの活躍も目立っている。
29日に行われた世界ランキング3位オーストラリア代表との試合では89対109で敗れ、2次リーグ進出はならなかったが、1次リーグ2戦目のフィンランド戦では劇的な逆転勝利(98対88)。ワールドカップ、五輪を含めて初めて欧州勢を撃破する快挙となった。
「フィンランド戦の勝利はマスコミ各社が取り上げるなど大きな話題となった。野球のWBCやサッカーのW杯ほどではないが、多くの人がバスケットボールに関心を持った。近年は日本人NBA選手も出てきているのに加え、国内のBリーグも盛り上がっている。パリ五輪へ向けてバスケット界に追い風が吹いている」(在京テレビ局スポーツ担当者)
今回は本来エースの八村塁(レイカーズ)は出場していないものの、同じくNBAでプレーする渡邊雄太(サンズ)、米国出身の帰化選手ジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)らがチームを牽引。さらに河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)、富永啓生(NCAA/ネブラスカ大)ら若手が活躍しているのは今後に向けてポジティブな要素だ。
来年のパリ五輪への出場が決まれば八村が参戦する可能性もあり、バスケットボール日本代表“アカツキジャパン”のさらなる躍進は非常に楽しみだ。
「フィンランドには劇的勝利を収めたが、(1次リーグ初戦の)ドイツとオーストラリアにはスコア以上の差も感じた。選手個々のレベルは上がっているが、チームとしては世界上位にはまだ遠いのは明らか。しかしサッカーの日本代表もそうだったが、国際大会の経験を積み重ねることで地力はどんどん付いてくる。日本バスケ界の歴史はここから始まると思って期待したい」(Bリーグ関係者)
フィンランド戦で逆転勝利の立役者となった河村については、既にNBA下部のGリーグなど、海外クラブからの接触があったとの報道があり、富永もNCAAからNBAのドラフト指名を目指している。これからの日本バスケ界の成長のためにも彼らのような若手が世界の舞台で活躍することが重要となる。