107年ぶりの優勝を決め、喜ぶ慶応の選手たち(撮影/写真映像部・東川哲也)
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 夏の甲子園決勝で仙台育英を破り、107年ぶりの全国制覇を果たした慶応高校。激闘翌日の24日、新幹線で地元・神奈川に帰ってきた。今大会では、選手の活躍とともにOB・OGたちの団結力が注目されたが、この愛校心はいったいどこから湧いてくるのか。

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 決勝戦翌日の24日午後。JR職員や警察、野球関係者など20人以上が待ち受ける新横浜駅のホームに、慶応の選手たちを乗せた新幹線「のぞみ」が到着した。取材やセレモニーの機会は設けられていなかったため、報道陣やファンの姿は見当たらない。電光掲示板のテロップには、「優勝おめでとうございます 感動をありがとう!」という駅員からのメッセージが、控えめに踊る。

 新幹線のドアが開くと、まず森林貴彦監督やコーチたちが姿を見せ、そのあと選手たちが次々降りてきた。全員の降車が済むと、列の先頭に立った駅員が、すぐさま選手らの誘導をはじめる。

 決勝で先頭打者ホームランを放った丸田湊斗選手は、「美白王子」の呼び声のとおり、こんがり日に焼けた球児たちのなか、透明感のある肌が際立っていた。黒い大きなスーツケースに紙袋を提げ、心持ちほほえみを浮かべて軽やかに足を運ぶ。

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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