国内外に広くメッセージを発信する機会が多い天皇陛下。流暢な発音にこだわらず、誰もが理解しやすい話し方であるのは、天皇という立場だからこそとも言える。

 多賀さんは、天皇陛下の英語が聞き取りやすい理由について、こう分析する。

「文法をしっかりと勉強されているので、文の構造をよく理解されている。つまり、主語の句がどこまでか、述語はどこから始まるのか。その中でも動詞がどの、副詞句によって修飾されているかなどが分かるように発音なさっている。正しく切るべき箇所で、きちんとポーズを入れておられる点に、英語力の高さを感じます」 

和歌に丁寧な英語での解説

 学生時代から英国人の家庭教師のもとで学ぶなど、天皇陛下の語学力の高さは折り紙つきだ。

 学習院高等科の時期には、豪州からの留学生だったアンドルー・B・アークリーさんと同じ地理研究会に所属し、正月には御所に招かれるなど親しい交流をしていた。アークリーさんが豪州に戻っても、英語で文通が続いた。

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