ヤクルト・村上宗隆

 ヤクルト低迷の原因に長期契約の弊害が指摘されている。セ・リーグ連覇を果たし黄金期突入とも思われたチームは「落とし穴」にハマってしまったようにも見える。

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 今年のヤクルトは勢いに乗れそうなところで負け、入れ替わりで主力選手に故障者が出る。開幕前には3連覇の期待も高まっていたが、蓋を開けてみればAクラス入りさえ難しい状況だ。

「昨年までとは明らかにコンディションが異なる選手がいる。もちろん細心の注意を払っても防げない時もあるが、これだけ故障者が多いと不備があるとも考えられる。チーム内に何かしらの緩みがあったと思われても仕方がない」(在京球団編成担当)

「『自分たちは強い』と思い込んでしまったように見える。複数年契約を結んでいる選手が多数いることでハングリーさも薄れてしまったのではないか。単年契約の1年勝負と異なり、結果が出なくても契約期間内は保証があるという考えがあったのかもしれない」(ヤクルトOB)

 主砲の村上宗隆は昨年、日本人選手のシーズン最多となる56本塁打をマークするなど史上最年少の三冠王に。オフには3年18億円の超大型契約を結んだことが話題となった。加えて「3年後のポスティングを認めてくださる契約になりました」(村上)とメジャー挑戦の確約まで取り付けた。

「他球団のマークが厳しくなるのは当然のこと。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の疲労もあるだろう。しかしそれ以上に太り気味の体で動きにキレがないのが気になる。ヤクルトとの契約が切れる25歳での渡米に意識が行ってしまっているなら、国内でのプレーに集中できるはずがない」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 複数年契約の弊害は村上以外にも見て取れるという声もある。

「2020年オフに国内FA権を取得した3選手、山田哲人、小川泰弘、石山泰稚と複数年契約を結んだが、彼らの調子が上がらないのも誤算。ヤクルトは親会社の業績好調に加え、集客やグッズ販売も右肩上がりの人気球団になった。球団予算も増え従来では考えられない契約を結ぶようになったが、結果的にはマイナスになったように感じる」(スポーツマーケティング会社関係者)

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監督との契約延長も…