3度のトリプルスリーを達成した山田、エース小川、ブルペンを支える石山とは数年先までの期待を込め、複数年契約を結んだが金額に見合った働きをしているかは微妙なところだ。特に7年総額約40億円の大型契約を結んだ山田は昨年に続き、物足りないパフォーマンスが続く。また、今シーズンに限れば、小川は先発ローテーションを守っているが安定感に欠け、石山も防御率5点台と苦戦が目立つ。
「当時の3選手は脂の乗り切った時期だったので、他球団が獲得に動くことが予想された。流出を防ぐ意味もあったが、長期契約は失敗だったと言わざるを得ない」(在京球団編成担当)
「他球団でも柳田悠岐(ソフトバンク)や坂本勇人(巨人)など、複数年契約を結んだ選手がお金に見合った活躍をしているとは言い難い。(長期契約を結んだことで)危機感が薄れて甘えが出てしまうのかもしれない」(スポーツマーケティング会社関係者)
また、選手だけではなく、高津臣吾監督が昨季途中に結んだ2年間の契約延長に関しても、チームにマイナスの影響を与えたという意見も。
「長期政権(高津監督は来季が就任5年目)は弊害も出てくる。今季はチームの不振もあるが早々と将来に向けて舵を切ったようにも感じる。契約期間が残っていることで監督自身の考えも変わったのかもしれないが、目の前の勝負に執着していないように見えるのが心配」(ヤクルト担当記者)
2連覇からの思わぬ低迷にファンもフラストレーションがたまり、選手起用や采配などに対して不満の声がある。怪我人が続出して致し方ない部分はあるが、勝てないことで批判も高まっている。
しかし、複数年契約を結んでも「必死さが伝わってくる」のがベテランの青木宣親だという。青木は2020年のオフ(当時38歳)に総額10億円で3年契約を結んだが、翌年からも大事な場面で活躍し、チームのリーグ連覇に貢献したのは記憶に新しい。成績的な部分では全盛期の時とは違い突出したものはないが、それ以上にチームに与える好影響があるという。