国会が閉じ、解散風もいったん落ち着いた。となると、次の焦点は内閣改造と自民党の役員人事だ。岸田文雄首相が次の総裁選を見据えた際、ライバルをどこに配置するかは重要になる。注目は茂木敏充幹事長のポストだが、前回の総裁選で安倍晋三元首相が推した高市早苗氏の扱いや、マイナンバー制度の問題で対応に追われる河野太郎氏の処遇も気になる。
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「今年は8月下旬から9月初め」
自民党の閣僚経験者によると、党役員人事の時期について、党内からはそんな声が聞こえてくるという。
ただ、岸田首相は世論調査の数字を非常に気にすることで有名なだけに、
「下落傾向の数字を気にするなら、また早めに人事を行うかもしれない」
との見方を示す。数字とは、各社が実施した世論調査での内閣支持率のことだ。
直近の6月23~25日にあった読売新聞の結果では、内閣支持率は41%で、前回(5月20~21日調査)の56%から15ポイント下落、不支持率の44%(前回33%)を下回った。
同日に行われた日本経済新聞とテレビ東京の調査では、内閣支持率は39%で5月の前回調査から8ポイント下がった。支持率は2カ月連続の下落で、内閣を「支持しない」と答えた割合は7ポイント上昇の51%。
読売新聞は、5月の広島G7サミット期間中に上がったその反動と、マイナンバーカードをめぐる問題などが影響した結果、大幅下落になったと分析している。
昨年の内閣改造は、予定を繰り上げてお盆前の8月10日に敢行した。安倍晋三元首相の銃撃事件で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党との密接な関係が露見し、岸田内閣の支持率が下落した後だ。
しかし、閣僚には山際大志郎氏のように旧統一教会のイベントに参加したり、選挙応援を受けていたりした大臣が含まれていた。また、スキャンダルなどもあって4人が途中で「更迭」された。