
原監督に同情すべき点は少なくない。ただ、3年連続で優勝争いに絡めない戦いぶりに、逆風がかつてないほど強まっていることもまた事実だ。民放テレビ関係者は、「原監督が名将であることは間違いないが、通算で在任17年目と長期政権でマンネリ化しているのが否めない。課題だった投手力も不安定なまま解消されていない。ベンチワークもさえているとは言えない。投手出身の監督を抜擢してチーム再建をしたほうが良いと思います」と指摘する。
外部招聘となれば、工藤公康氏が有力候補になる。ソフトバンクの監督時代にリーグ優勝3度、日本一5度と黄金時代を構築した。「脂がのり切っていた選手が多く、戦力が整っていたから勝てた」と揶揄する声もあるが、千賀滉大(現メッツ)、石川柊太、東浜巨らを一本立ちさせた功績は大きい。各投手に合わせたトレーニングメニューを考案し、救援陣の強化にも精力を注いだ。工藤氏の力なくして、常勝軍団は完成しなかっただろう。
ただ、原監督は今年が3年契約の2年目。来季まで契約が残っている。巨人を取材する記者は監督交代に否定的な見方を示す。
「原監督が作り上げてきたチームなので、契約最終年まで全うさせると思います。球団の歴史をひもといても、監督を外部招聘したケースは一度もなかったですしね。阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチが次期監督の最有力候補ですが、このタイミングでバトンタッチは荷が重い。高橋由伸前監督も火中の栗を拾わせるわけにはいかないでしょう。内部昇格なら桑田真澄ファーム総監督、二岡智宏2軍監督が選択肢に上がりますが、原監督が監督を勇退してフロント入りするなら、2人が監督になるイメージがわかないんですよね……」