レカネマブ(写真提供・エーザイ)
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 エーザイなどが開発したアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」。これまでのアルツハイマー病の薬と何が違うのか。どんな患者が対象になるのか。薬についての疑問点をまとめた。

【図】新薬「レカネマブ」の仕組みはこちら

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【Q】薬の名前に、「~マブ」「~スタチン」「~ビル」という語尾が多いのはなぜ?

【A】レカネマブの「~マブ(mab)」はモノクローナル抗体薬の英語「monoclonal antibody」からきている。抗体薬には、乳がんなどの治療薬トラスツズマブ、大腸がんなどの治療薬ベバシズマブなどがある。

 このほか、「~スタチン(statin)」は、プラバスタチンやロスバスタチンなど、コレステロールの合成を阻害する薬につけられ(そのためスタチン系という)、「~ビル(vir)」は、ファビピラビルやオセルタミビルなど、抗ウイルス薬につけられる。
 

【Q】レカネマブには「レケンビ」という名前もある。どちらを使えばいい?

【A】薬には一般名と商品名の2つがある。レカネマブでいうと、「レカネマブ」が一般名、「レケンビ」が商品名だ。認知症の薬でいうと、「ドネペジル」が一般名、「アリセプト」は商品名になる。また、痛み止めの「アセトアミノフェン」は一般名、「カロナール」は商品名。

 一般名は有効成分の名前、商品名はメーカーが付けた名前になる。後発品などが出ると、1つの一般名に複数の商品名が存在する。

 薬によっては、アセトアミノフェンのように一般名のほうが知られているものもあれば、アリセプトのように商品名のほうが知られているものもあるので、どちらも使われている。
 

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