夏の昼日中から観たり行ったりするような試合とは? しかも高校・大学関係。しばらく考えて思い出しました。高校野球甲子園です。
 

 母校の慶應義塾高校が何年ぶりかに神奈川代表として夏の甲子園に出場しているのです。にしても「観てる?」は分かりますが、「来てる?」というのは、この私が、酷暑の中、厚化粧をして甲子園アルプススタンドから「かっ飛ばせー」とやっているとでも思ったのでしょうか?

 確かに久しぶりの甲子園出場故に、現地まで応援に赴いている卒業生がたくさんいるとは聞いていました。甲子園の応援席でフルメイクした私が、口から謎の出血を垂らしながらテレビ中継に映り込むというのも、それなりに珍事かつ意義のあるようなことだとも思えたものの、さすがにその気力はゼロでした。

 なので珍しく家のテレビをつけたら、ちょうど慶應高対北陸高の初戦をやっていました。高校球児が自分より年下になった時、男は己の成長または老化を初めて感じるといいます。私にとっては、もはや30年も前の話です。

 私の場合、高校球児が年下になった途端に生じたのは、「もう彼らに恋心やエロ」を求めてはならないという「オトナとしての一線」でした。

次のページ