江戸庶民の手軽な遊興の名所だった隅田川

東京スカイツリーで賑わう墨田区浅草近辺、とくに浅草から川を隔てた東側は、「墨堤」(隅田川の堤の意味。東武線東向島かいわい)と呼ばれ、昔から花見で有名です。隅田川の堤に桜が植えられ始めたのは享保年間(18世紀前半)のことで、江戸庶民の手軽な遊興の名所として江戸時代から有名でした。現在でも料亭が残っています。
文人といわれる人たち(学者や詩人)も集まって料亭で花を見ながらお酒を飲んだり、詩(当時は漢詩が主流)を作りあって楽しみました。彼らの間で流行ったのが、石碑を建てることでした。お金を出し合って、河畔の風景の美しさをうたった詩を刻んだ碑をきそって建てたのです。いわゆる句碑や歌碑もたくさん建てられました。
現在でもこうした、江戸末期から明治にかけて建てられた碑が墨堤の長命寺、三囲神社、白髭神社、向島百花園などには多く残っています。

石碑の書の美しさをめで、江戸文人の息吹に触れる

向島は現在でも花見の時期には人でいっぱいです。多くの人は土手を歩いて花を見ていますが、土手の喧騒からちょっと離れて寺社の境内の石碑を眺めてみましょう。

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