ブランドとのコラボ「ジェニー」はファッショナブルな衣装が目を引く。ヒロミチナカノ(左・中央)、ピエールカルダン(右)(撮影/写真映像部・高野楓菜)

 よりスタイリッシュになったジェニーに対しては、「今っぽい!」という声とともに、「昔のジェニーちゃんのほうが好みだ」という意見もあがっている。

 しかし、好みは様々に分かれるなか、いつの時代も「今」を反映させてきたと、同社マーケティング課の松本志保さんは話す。

「ジェニーは発売当初から“ファッションドール”という位置づけなんです。そこがリカちゃんと違うところです。

 リカちゃんは5歳児をメインターゲットに人形を使ったごっこ遊びを想定していますが、ジェニーはファッションを楽しむ着せ替えの要素が強く、常に時代の流行を取り入れてきました。お子さんだけでなく、大人の方にもファンが多い理由でもあります」

 振り返ればジェニーには、DCブランドが流行った80年代にはヒロミチナカノ、ピエールカルダン、ハナエモリなど名だたるブランドとコラボしたシリーズがあり、どれも目を引く衣装ばかり。

 また、アイドルの影響で大ブームとなったローラースケートを履いたモデルやジュリ扇にボディコンのバブル時代のスタイル、小麦色肌のギャル風、エクステや付けまつ毛が施せるお姉さん系など、ジェニーの展開を通して当時の流行が垣間見えてくる。

ボディコンスタイルの「ジェニー」(撮影/写真映像部・高野楓菜)
小麦色肌のギャル風「ジェニー」(撮影/写真映像部・高野楓菜)

SNS時代のドール遊びも後押し

 そんな新しいジェニーの完成までには、サンプルを何パターンも作ったという。

「ファンの方にとって、髪やメイクは大事な要素です。自分でアレンジしたりできる服や小物と違って、大きく変えられませんので。親しんでもらえるよう、製作にはこだわります。お子さんたちを集めて人気調査をしたり、大人の方を含む顧客アンケートを行ったりします」(松本さん)

 ジェニーは「初代」の発売以来、瞳に星を入れたり、たれ目にしたりと、顔のつくりもマイナーチェンジを遂げてきたが、今回は過去のジェニーを踏襲しつつも、今風のメイクを施した。

 名前は伏せて歴代ドールの顔写真を並べ、どのドールの顔が好きか子どもたちにアンケートしたところ、今回採用されたジェニーの顔に一番人気が集まったという。「かわいいからという声に、今の子たちにも受け入れられるという確信を得ました」と松本さん。

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大人が夢中になるドール遊び