撮影・小暮 誠
撮影・小暮 誠

「僕と妻は好きなものがめちゃくちゃ似ているし、感覚が似ているんです。出身も同じ福岡だし、食の好みも合う。ただ性別がちょっと違うくらいで『もうこんな人、ほかにいない!』と思ったんですよね。例えば旅行行ったときに『これが見たい』『この美術館に行きたい』というような感覚が一緒だったりする、そういうことが大事かなと思うんです」

 瀬戸さんは昨年主演した映画「愛なのに」でヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞した。愛をテーマにした作品が続くなか、ジンを演じたことで、改めて「愛」と向かい合うことになった。

「愛することって難しく考えがちだけど意外と簡単なんじゃないかなと。愛することはただその人のことを大切に思うっていうことと、相手をリスペクトすること。それだけで十分な気がします。難しく考えるから、ときどきグチャグチャになっちゃうのかなと」

 人生を重ねることで、愛との向き合い方に変化が出てきたともいう。

「愛って年齢によっても変わりますよね。10代、20代の愛といまは違う。簡単に言えば昔よりも大人になった。10代や20代のころは『もうちょっと、こっちを見てよ』『もっと自分を愛してほしい!』という思いがあった。自分自身にもあまり自信がないから、そう思ってしまうのかもしれない。まあ自信はいまもないんですけど。それに夫婦になっても変わりました。『愛』への信頼度が増したっていうのかな。それまでも愛を信じてなかったわけじゃないけど、やっぱり若いころは、不安になっちゃったり、ヤキモチを焼いたりしますよね。でもそれがいまは全くないですから」

 瀬戸さんにとって「理想の愛、理想の関係」はどんなものだろう。

「天秤が傾いてない感じ、ですね。どちらかがどちらかをより愛しているとか、どちらが重いとかではなく、どっちも平等に、相手に接することができて、支えたいと思える。それが僕の理想です」

撮影・小暮 誠
撮影・小暮 誠

(フリーランス記者・中村千晶)

週刊朝日  2023年3月31日号

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