ダヤン・ビシエド

 最下位に低迷する中日。借金は今月に入って今季ワーストの21に膨らむなど上昇する兆しが見られない。

【写真】「絶望的な守備力」だった中日の助っ人がこちら

 地元・名古屋の民放テレビ関係者はため息をつく。

「今年の戦いぶりを見ると、優勝どころかCS進出も厳しいでしょう。投打で課題は山積みです。貧打は解消されず、守備や走塁もミスが目立つ。ふがいない戦いぶりが続いているので、ファームで調整している根尾昂がいつ1軍昇格するかが地元メディアの関心事になっている。星野仙一さん、落合博満さんが監督を務めた時の『強い中日』を知っている人間からすれば、近年の低迷は寂しいですよね」

 立浪和義監督が就任1年目の昨年は6年ぶりの最下位に沈み、今年も2年連続最下位の危機を迎えている。指揮官に批判の矛先が向けられるが、低迷している時期ははるか前から続いている。13年以降の10年間で9シーズンがBクラス。最下位が2度、5位が5度と優勝争いにすら絡めていないシーズンが長年続いている。

 チーム再建を託された立浪監督も、すぐにチームを変えられるとは思っていないだろう。3年契約で若手の育成を行いながら、血の入れ替えを断行している。昨オフに阿部寿樹(現楽天)、京田陽太(現DeNA)と主力選手たちをトレードで放出。今年のシーズンに入っても、山本拓実、郡司裕也を交換要員に日本ハムから宇佐見真吾、斎藤綱記を獲得し、高松渡との交換トレードで西武から川越誠司を補強した。

「阿部は昨季レギュラーとして活躍しただけに、全盛期を越えた涌井秀章との交換トレードは批判の声が多かった。立浪監督は長期的視点でチームを考えた時、二遊間に若手が台頭してこなければ勝てるチームにならないと判断したのでしょう。選手の大幅なテコ入れは大きなリスクを伴う。最下位に低迷していますが、チーム作りの観点で言えば、評価されるべき点があると思います」(スポーツ紙デスク)

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新外国人の助っ人たちが機能していない