定年退職するととりあえず趣味のサークルに入ったりするが……(写真はイメージです、Getty Images)
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 定年退職後、自由になった時間を活用して、趣味のサークルなどに参加する高齢者は少なくない。むしろ社会参加として推進されている。しかし、すべての人が他者と関わりの強いサークルなどに入る必要はあるのか、心理学者の榎本博明氏はその問題点を指摘する。新著『60歳からめきめき元気になる人 「退職不安」を吹き飛ばす秘訣』(朝日新書)から一部抜粋、再編集し、紹介する。

【イラスト】無理してグループに溶け込む必要はない

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無理して趣味などのサークルに入るストレス

 居場所づくりという意味で、居住地域などの社会活動への参加がしばしば推奨される。実際、定年退職後は地域の社会活動に参加することで心地よい居場所を得ている人も少なくない。でも、これまで職場にどっぷり浸かって過ごし、地域社会との接点がまったくなかった人が、いきなり地域社会を居場所にするように言われても、戸惑うばかりに違いない。

 実際、定年退職に伴い居場所を失う人が多いため、地域での居場所づくりを支援すべく、地域デビュー講座を催す自治体も出てきている。地域デビューの第一歩を踏み出すのを促す試みだ。

 2021年に内閣府により60歳以上を対象として「高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査」が実施されているが、65歳以上のデータを集計した結果によれば、何らかの社会活動に参加したという人は51.6%となっており、半数が何らかの形で参加していることがわかる。

 では、具体的にどのような社会活動に参加しているのだろうか。

 最も多かったのが「健康・スポーツ(体操、歩こう会、ゲートボール等)」で27.7%であり、つぎに多かったのが「趣味(俳句、詩吟、陶芸等)」で14.8%。それと並んで「地域行事(祭りなどの地域の催しものの世話等)」が13.2%となっている。

 その他、「生活環境改善(環境美化、緑化推進、まちづくり等)」が10.1%、「生産・就業(生きがいのための園芸・飼育、シルバー人材センター等)」が7.4%、「安全管理(交通安全、防犯・防災等)」が6.1%、「教育関連・文化啓発活動(学習会、子ども会の育成、郷土芸能の伝承等)」が4.6%、「高齢者の支援(家事援助、移送等)」が2.4%、「子育て支援(保育への手伝い等)」が2.0%などとなっている。

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高齢者の半数が地域活動に参加する