漁港で魚を観察してみよう

 漁港にある防波堤、消波ブロックのまわりには、カタクチイワシやウミタナゴ、メジナなど多くの生き物がひそんでいる。漁師の方々の作業の妨げにならないように気を付けなから、魚を釣って観察してみよう。

漁港で釣りや観察をする前に、漁港施設を一般開放しているかどうか確認を(写真/PIXTA)

 観察のポイントは、まず幼魚を探すこと。船を止めるための岸壁では、さまざまな魚の幼魚が暮らしている。漁船をつなぐためのロープに生えた藻や流れ藻のまわりを探して、たも網ですくってみよう。船が止まっている港内、防波堤の沖や消波ブロックのまわりなど、場所によって釣れる魚が変わるので、いろんな場所で試してみるのも楽しい。

 魚があまり釣れない時は、まわりに餌をまいて魚を呼び寄せてみるのも手だ。「まき餌」用の餌は釣具店で購入できるが、地域によっては、まき餌を禁止したり、時間を制限したりしている場合もあるので、事前に確認を。

 釣った魚は、コンクリートの上に置くと体の表面のぬめりが取れ、海に戻しても長くは生きられない。観察する時は、海水で満たしたバケツに入れよう。ひもを付けたバケツを用意しておくと、防波堤の上から海水をくむことができて便利だ。

漁港付近では、メジナ(写真)やカゴカキダイなど多様な魚たちと出合える(撮影/鍵井靖章)

 最後に、漁港での観察の注意点を2つ。

 防波堤などの漁港施設を一般に開放していない港もたくさんあるので、確認を忘れずに。立ち入り禁止区域に入ると、海に落ちてしまうなど思わぬ大事故につながりかねない。立ち入り禁止区域には絶対に入らないこと。そのうえで、ライフジャケットの着用もマストだ。体のサイズに合ったものを指定通りに装着しよう。釣り糸が船にからまってしまうこともあるので、許可された場所であっても、船が来たらさおを上げて糸を巻き取る配慮を怠らないこと。自分が出したゴミを持ち帰るのは、言うまでもない。

 楽しく安全な観察は、ルールを守ることから始まるのだ。

(構成/生活・文化編集部 塩澤 巧)

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